ある意味、デジスコシステムの肝といえるのがアダプタリングである。これについてはアイピース紹介のところで触れた不良品問題以外の話題もあるのでまとめておこう。ただし、話がややこしいので、長くなるがある程度時系列順に述べさせていただく。
実はデジスコを始める前からデジカメ自体の購入を考えていて、そのとき最有力候補だったのがオリンパスのC-5050Zoomである。当時すでにデジスコ用としてはCOOLPIX4300が最適という定評ができあがっていたが、その時点ではまだ「COOLPIX950のリプレイス」という意図が強かったので、オート志向で撮影機能が「貧弱」な4300には眼もくれていなかった。
その後降って沸いたようにスコープのアウトレット品を発見したのでとびつくことにしたが、この時点ではまだ「デジスコに最適のカメラを選ぶ」という視点はなかったのである。アウトレット品にアイピースが付属しているにもかかわらずTSE-17HBを併せて購入したのも、コーワ・プロミナー・ネットショップの適合一覧表で、C-4040などには17HBがお薦め(テレ端でケラレがなくなる)となっていたからであった。ところが、すでにデジスコを実践している方の話を訊くと、オリンパスのF1.8レンズ搭載モデルを薦める人はだれひとりとしていない。しかし、豊富な撮影機能の魅力は断ちがたかったので、じっさいに手持ちのスコープ一式をヨドバシカメラに持ち込んで試着させてもらった。
しかし結果はまったくダメ。4040Zoomではお薦めになっていて「デジスコに最適」なはずの17HBでも、テレ端でケラレが起きる。この結果に納得いかなかったのでコーワ・プロミナー・ネットショップの掲示板で回答を求めたところ、次のようなことがわかった。
- アダプタリングはWebなどに写真掲載されているものからモデルチェンジしている。
- 変更の理由は、従来型ではデジカメをセットアップしたときカメラの前玉を破損する可能性があるため。
- 対策としてリングの内径を狭くし、アイピースが直接前玉に当たらないようにしている。
- 内径が狭くなっている分、機種によってはケラレが大きくなっている。
- まだ旧型の在庫もあるので、要望があれば発送できる。
というようなものだ。つまりカメラの最前面のガラスを破損しないように、防護策として改良した結果、ケラレを避けられなくなってしまっていたのである。旧型の在庫があるとはいうものの、ケラレが減っても前玉を破損したのでは割りにあわないので、この時点で5050Zoom購入は断念した。これが2002年12月下旬の話。
そんなわけでデジカメの方は、とりあえず2003年春の新モデルを待つことにしてデジスコ撮影を楽しんでいた。ちなみに現時点でもアダプタリングは例のネジ山がゆがんだヤツのままである。TSE-Z6では実用上問題は感じないのでそのまま使い続けた。
そして2月下旬。コーワ製スコープのユーザーの間で、COOLPIX4300のズーム全域でケラレが起きないようにする改造法が話題になり始める。それは本来4300用とされている組み合わせ(コンバージョンレンズアタッチメントUR-E4+28mmアダプタリング)ではなく、ニコンのフィールドスコープ用アタッチメントとコーワの52mmアダプタリングを使うというものだ。このとき52mmリングは、内径の広い旧型でなければならないという。
ところがここで情報が錯綜する。ショップ(KYOEI-BIRD)に旧型リングの在庫を問い合わせしたところ「新型のほうが内径が大きい」という返事を得たという人が現れたのだ。いったい内径が大きいのは新型・旧型のどちらなのか、内径が大きいリングは実際に手に入るのか、発注するときはなんといって頼めばいいのか、さっぱりわからない。
その後わかったことは、
- この時点での「現行品」とは、内径が小さい「前玉保護タイプ」。
- 52mmサイズで内径の大きい「旧型」は、店頭在庫などがわずかに残っている。
- メーカーのコーワでは今後再び内径の大きいものに戻す予定がある。
- 問い合わせしたショップでは、この再モデルチェンジ予定のリングを「新型」と呼んでいたために混乱が生じた。
ということであった。
結局この混乱は数日で収束したが、この時点でショップに連絡をとって「旧型リング」を探した人はけっこう多いのではないかと思う(かくいう自分もそのひとり)。
しかし、この「ケラレなし改造ブーム」は3/7に至って急速にしぼむことになった。本家コーワが、COOLPIX4300と885の2機種で完全ケラレなしを実現する専用アダプタリングを開発中と、コーワ・プロミナー・ネットショップからの顧客向けメールマガジンの中に紹介されていたのである。これに先立って公表された、超望遠デジカメTD-1よりも、ある意味インパクトの大きい発表であった。
商品名はアダプターリングN4300、発売予定は2003年4月中旬、希望小売価格3500円。
完全ケラレなしを実現するアイピースは、TSE-14WB/14W/21WBの3本。いずれも広視野型である。その後、正式に発売時には新たにTSE-9Wも正式対応となった。
なお、このメールマガジンではもうひとつ、開発中の商品が紹介されている。口径50mmのミニスコープTS-500系のEDレンズタイプ、TS-504プロミナーがそれだ。15-30倍のズームアイピース固着で、デジカメアダプタリングも開発予定となっている。
このN4300の特徴は、COOLPIX885および4300の専用品ということである。
具体的には、従来の接続方法であるDA-1+28mmアダプタリング+UR-E4+COOLPIX885/4300という組み合わせから、UR-E4を省いてカメラを直接接続する。
コーワ製品 ニコン製品従来の接続方法 DA-1+28mmリング UR-E4+COOLPIX885/4300N4300使用の場合 DA-1+N4300 COOLPIX885/4300レンズの繰り出し量と絞り位置の変化が少ないため、アイピースのアイレリーフがさほど長くなくてもケラレが起きにくいという885/4300系ボディの特徴を活かし、広視野型アイピースと組み合わせることでケラレをなくそうというものだ。
この製品の発売を待ってCOOLPIX4300とTSE-14Wを購入した。
なおN4300自体には、DA-1のアウターチューブにはめ込んだ状態でぴったり奥まで差し込むとE4300の電源オン/オフ時にエラーが起きるという問題がある(最悪の場合カメラのレンズ駆動用パーツを破損する)。これについては製品の取扱説明書に注意書きとして記載されているものの、実際の撮影現場でエラーが出ずになおかつケラレがなくなる位置を探りながらセットアップするのは手間がかかるということで、ユーザーの中にはクリアランス確保用のリングを自作している方もいる。このリングについては、FUKUOKA-PROMINAR-CLUBのサイトに詳しく紹介される予定。
その後メーカーでも対策品としてガード用のブロックを添付したものを販売しているらしい。
2003/6/13