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第三夜 だったら星景写真!

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 まぐれ当たりとはいえ流星を一個つかまえたおかげで、星を撮るのがけっこうおもしろくなってしまった。となるとあれこれ違うものも撮ってみたくなるのが人情というモンである。ところが、星の写真にもいろいろあって、たとえば月面を撮るには天体望遠鏡にカメラをくっつける必要がある。
 でもワシの場合、あまりそっちには興味はない。惑星とかも、けっこうどうでもいい。要は天体というよりは、星空が好きなのである(もしこれから望遠鏡を買うにしても惑星じゃなくて、星団や星雲のほうが見たい)。
 というわけで、星座の形が分かるとか天の川が写っているといった写真なら天体望遠鏡はいらない。こういう星空が写った写真のことを星野写真というのだが、星野写真でも星を点として写すには天体望遠鏡での撮影と同じく赤道儀による追尾が必要だ。しかし、点が流れて線になってもいいじゃんと割り切ればカメラと三脚とレリーズという、ごくふつの撮影機材だけでいけるのだ。

 そもそも天文雑誌で読者の投降写真眺めていて思ったのだ、「なによこの機材!」と。写真は確かにきれいだが、そこに書かれている撮影機材のスペック。それを広告と見比べて知る驚愕の金額。とてもじゃないがそんな金ないぞ。
  それに星野写真や月や惑星の拡大写真では、いい写真を撮るための秘訣は機材のセッティングがほとんどで、自分らしいセンスというものがないではないかという気がする(赤道儀の極軸が正しくセットされていないと星を追いつづけることができないので、なによりそこが肝心なのだ。いわば手ぶれピンぼけはダメよ、みたいなレベル)。

  天体観測の記録じゃないんだから、それではつまんないではないの・・・。

 話はちょいと横へそれるが、図鑑なんかに載っている星雲や星団の写真、これはとてもきれいで見ごたえがあるが、あーゆーものはだいたい天文台にあるような口径60センチとかいう望遠鏡で撮るようなモンであって、そもそも口径15センチ程度でも屈折望遠鏡だと諭吉っちゃんが100人ほど束になってかからないとお目にかかれないものもある。
  同じ望遠鏡でも、シュミット・カセグレンという形式だと口径20センチで20万円台から手に入るようだが、これはあくまで鏡筒、つまり望遠鏡の筒の部分(これに屈折望遠鏡なら対物レンズ、シュミット・カセグレンなら鏡や補正板といわれるガラス板が入っている)だけのお値段。これを(ここまでときどき出てくる)赤道儀というものに乗っけてやらないと星の動きを追っかけられない。望遠鏡というのは拡大倍率が高いから、いったん視野に捉えてもほっとくとあっという間に星が動いて視野の外に出ていってしまうのだ。
 ついでにいうと、どんなでっかい望遠鏡でも肉眼でみたのではああいう写真のようなきれいな色には見えないらしい。微かな光を長時間にわたって集められるフィルムだからこそ色が写るのだそうだ。

 で、昔はこの赤道儀に付いたハンドルを手でグリグリ廻して追っかけていたのだが、最近ではコントローラーのボタンを押せばモーターでギュイーンと動かしてくれるので、追っかけは楽だが懐は寒くなるというお決まりのコースが目の前には開けている。ちなみに、手でグリグリするとどうしても動きが雑で望遠鏡が震えてしまい、結果として像が揺れて安定しないのだが、モーターだと一定の力で動くのでこの辺のぐあいがいいらしい(というのが雑誌やホームページをいろいろ読んでいるうちにわかった)。

 ところで、実際に流星撮っていて思ったのだが、普通に撮っているだけでも、やれ露光時間はどうだの、レンズに露はついていないかだの、けっこう気を使うことが多くて、意外に星空自体は楽しめていないのが淋しい。
 となると、望遠鏡のセッティングして星を追っかけてさらに写真を撮るなどというのはオオゲサ過ぎてとてもじゃないがやってられないのである(モチロンカネサエアレバヤッテミタイノハイウマデモナイガ)。

 ・・・などなど考えているうちに、最近では星景写真というジャンルがあるのを知った。整形じゃないよ、星景。
  なんのことはない、星空だけではなく地上の風景を映し込んだ写真のことだ。昼間撮ればただの風景写真だが、夜撮れば星景写真というわけである。要するに夜景の延長なわけだが、ところがこれだけの違いなんだがこれがけっこうおもしろいんだな。
 長時間露光すると確かに星は流れるが、田植えが終ったばかりの水田に月が映った写真なんか、なんとも言えないいい感じなのである(確か雑誌でそういうのを見かけた)。  それに、感度400のフィルムで30分ぐらいシャッター開けておくと、周囲は昼みたいなのに空には星が流れてるなんていう不思議なものが撮れたりするのだ(これは例の流星を撮ったとき、露光に失敗してできあがったコマがそうだった)。

 コレはおもしろいし、とりあえず手持ちの機材ではじめられてお金も特別かかんない。しかも、天文ファンならともかく一般の写真好きでやっているひとは少なそうだというので、これをテーマにすることに決めた。確かに赤道儀を使った星野写真も魅力だが、それは金ができてからでいいだろう。

 とはいうものの、すぐにバシバシ撮りに行ったというわけではない。なんせ夜景の撮影もろくにしたことがないのだ。とりあえずはデータを採りながら、いろいろ写真を撮ってみようと思った西暦2000年夏の宵なのである。

2000.11.24