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さて、新しいカメラ選びの候補として生産中止が発表されたニコンF3が急浮上してきたわけだが、そうなるとレンズもなにか1本というのは人情というもの。なにしろ親爺が所有するニッコールレンズといえばオートニッコールに切り替わったばかりの頃のものか、それ以前のものをオート対応に改造したのばかり。比較的モダンなものといえば、ワシがまだ東京にいた頃に買った35〜105mmと、99年の春に買った70〜300mmの2本のAF用ズームしかないというアリサマ。
ここは一発、星景写真向きに開放F値の小さい単焦点レンズが一本欲しいところだ。そこで現行のニッコールレンズの中では最も明るい50mmF1.2を買うことにした。最も天体向きの58mmF1.2のノクトニッコールはすでにラインから落ち、しかも中古市場でとんでもない高値を呼んでいるとあっては、手頃なチョイスはこれしかあるまい。
とはいえ一抹の不安がなかったわけではない。ひとつは同レンズの初期型を親爺の知り合いが所有していてこれを試写させてもらったところ、けっこうボケがうるさい感じであまりいい感触ではなかったこと。もうひとつはもっと普通のスペックで価格も安い50mmF1.4のほうがシャープな描写をするという定評があるからだ。
後者は「もしカリカリのいかにもニッコール(のイメージ)的描写じゃなくても、それはそれでおもしろいかも」ということで納得し、前者についても「最近コーティング変ったらしいし、もしかして硝材も変ってかもしれんからものは試し」と割り切ることにした。
ついでにいうとこのレンズ、マニュアルフォーカス用というのも気になるところで、できればオートフォーカス用でこのスペックのレンズがほしかったのだが、残念ながらいまだに登場していない。もちろんうちにオートフォーカスの一眼レフはニコンも含めて一台もないので関係ないといえばないのだが、できれば将来AFボディを入手するときに備えてAF用単焦点レンズにしておきたかったのだ。
しかしまぁ、ないものはしょうがないのでこれもあきらめることにして、さらにアクセサリを吟味する。とりあえずほしいのはアンチフォグアイピースとアイカップだ。アイピースとはカメラの接眼部に付いているガラス板でF3では丸いねじ込み式だ。もちろんボディ自体についているのだが、温度変化の大きい夜間の撮影時に曇りが生じないように、アンチフォグタイプがほしい。アイカップのほうはアイピースにはめ込んで使うゴム製の眼当て。横からの余計な光をカットしてファインダーを見やすくしてくれるはずだ(ただしこのアンチフォグアイピースとアイカップ、その後すぐ紛失してしまう羽目になろうとは・・・)。さらにもうひとつ、ローポジションでの撮影用にアングルファインダーもほしい。これはいまいち不安の残るウエストレベルファインダーの代わりだ。アダプターリングを使えばFM/FE系のボディに使えるのも嬉しい。こういう互換性はニコン様様といえよう。
以上に、天体撮影用のC型ファインダースクリーンを加え、まとめてカメラ店に注文(ほんとはもう一枚斜めスプリットマイクロのP型も頼んだのだが、これは親爺用。F3のスクリーンを改造してF2に使うとファインダーが明るく見やすくなるのだ。改造はニコンのサービスステーションでやってくれる)。ボディは生産中止が発表されたのを受けて売れている可能性があるし、アクセサリの流通量もわからないので、とりあえずレンズだけでも手に入れば手持ちのボディで撮影は楽しめるなというもくろみだ。とくにボディは最終生産分の4000台の中から押さえることになればしばらく待たされる可能性は大。
・・・と睨んでいたら、一週間後にはすべて揃ってしまった。おかげで一挙に20万円以上の出費。おりしも愛車プジョー106S16の車検とぶつかってしまって痛いが、泣く泣くクレジットカードの2回分割で払うことに。
いったんブツが揃ってみるとさらにいろいろ欲しくなるもので、まずレンズ保護に常用するフィルターが要る。なにしろ大口径レンズで前玉がでかいのでうっかりしているとグッサリ傷をつけてしまいそうだ。ついでにいうと後玉のほうもデカイ。写真でみただけだが玉のでかさといい鏡胴のデザインといいノクトニッコールそっくりで、まんま弟分という感じがちょっと嬉しい。このレンズについては別の回でもう少し詳しく紹介しようと思う。
さて、その常用フィルターだが、たまたま店頭にニコン純正のL37の在庫がありしかもこれが他社製より安かったので迷わずこれに決定。ついでにラバーフードも買ってこれで第一次備品調達計画は無事終了となった。
さっそく撮影といきたいところだが、ちょうど仕事の締め切りとかぶってしまったので、F3と50mmF1.2を親爺に預けてシャッターやレンズのテストをやってもらう。あがりを見ると絞りとシャッターの関係は問題なし。気になっていたレンズの描写のほうも、なぜか初期型とはボケの感じがかなり違い、うるささは感じない。コーティングは時代によって変っているはずだがレンズ構成は同じはずなのにこんなに違うか?とびっくりだ。
本来の目的に添って点光源の描写を見るべく、その後夜景の撮影などもやってみたが結果は良好。F2.8まで絞ればほぼ問題なく、4までくると周辺光量落ちもほぼ完全になくなるようで、以来、F3にはほとんどこの50mmF1.2一本槍でレンズの癖を捕まえようとしているところだ。
2001.1.18
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